2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

超弦のための特殊相対論2 テンソル

相対論で重要になるテンソルについて述べる。これは一見、添字が多く複雑に思えるが、実は方程式を見通しよく記述してくれる非常に良い性質を持っている。 以降と表す。こうすると、たとえば と書ける。 さて、というベクトルは、基底ベクトルを用いて と表…

超弦のための特殊相対論1 光速不変とブースト

光速不変の原理 まず初めに、光速不変の原理から、ローレンツブーストと呼ばれる座標変換を導く。 光速不変の原理とは次のような要請のことである: ある座標系Sで光の速さがであったとき、Sに対し、方向に一定速度 で運動する座標系Sから見ても光の速さはで…

このブログのこれから

長らく放置してきた当ブログですが、ついに再起動のときが来たようです。 内容としては弦理論の解説記事、およびその解説に用いられている予備知識の解説、というのが主になると思います。 その予備知識とは?弦理論は一般相対論と量子力学を矛盾なく融合で…

弦理論1.3 ポリャコフ作用

NG作用は、世界面の面積と解釈できるため非常に分かりやすいが、について多項式的ではなく、扱いにくい形をしている: また経路積分は、分配関数 を計算することで行われるため、NG作用の経路積分は面倒な処理を要求されることになる。 実は、古典論的にNG作…

弦理論1.2 南部後藤作用

弦の作用を出すにあたり、点粒子の相対論的な作用が世界線の長さ(に比例するもの)で与えられていたことを思い出そう: ここから、弦の作用は世界面の面積を表すのではないかというアナロジーができる。これは南部後藤作用(以後NG作用)呼ばれ、次式で与えられ…

弦理論1.1 背景時空と世界面

D次元ミンコフスキー空間 における、ポアンカレ対称性を持った弦の古典論を考える。弦が掃く2次元面を世界面という。世界面上のパラメータを とする。世界面上の点はD次元空間では で記述される。当面、 を時間的、 を空間的なパラメータと考えることにする…